周一ぶつぶつ

2018.09.10
無農薬・有機野菜を求めて

「農薬と食べ物」                                          安家周一

相変わらず暑さが続いています。小学校は早々と始業式を済ませ、2学期が始まりました。今年の夏はいかがでしたか?子ども達と素敵な思い出が育まれたことでしょう。

7月28日(土)、未来の子供達に捧げるシンポジウム「21世紀をどんな時代にできるか?」NPO法人日本に健全な森をつくり直す委員会 養老孟武代表 主催 にお招きいただき、シンポジストとして参加しました。会は環境問題など6時間に亘り、第1部「森のつくり直し」第2部「再生可能エネルギー」第3部「無農薬野菜を子供達へ」の構成で、私は第3部の「無農薬を子供達へ」に登壇させていただきました。冒頭、環境脳神経科学情報センター代表で中枢神経毒性学が専門の黒田洋一郎さんが講演なさいました。テーマは「発達障害など子どもの脳発達の異常の増加と多様性」です。事前に資料をいただき読んでいたのですが、恥ずかしながら私のこれまでの認識をくつがえすショッキングな内容でした。40数年前から自閉症などの親子と付き合い、保護者のしんどさや子どもの生きにくさを痛感してきたものとして不勉強の極みでした。一部分を紹介します。

『自閉症や発達障碍の増加は、程度の差はあるが日本、韓国、英国、米国など先進国共通で、近年医学、科学雑誌で注目されている。そのような中で2012年に初めて発表された疫学論文では日本と韓国の自閉症の有病率が断トツに高い結果であった。黒田らは動物実験などで因果関係が証明されつつある農薬に着目。OECD発表の加盟国の農薬使用量と比較したところ、単位面積当たりの農薬使用量が世界2位と、1位である日本と韓国が、自閉症有病率でもともに同じ順位で、農薬の使用量と一致しているという結果。』中国はOECDに参画していないのでこの順位には反映されていません。

出典:「発達障害の原因と発症メカニズム」 黒田洋一郎、木村・黒田純子著 河出書房新社2014,5,20

そのときまで日本の農産物は他国に比べて安全、と信じていたのですが、日本と韓国では有毒の農薬「ネオニコチノイド」の毒性試験が行われないまま大量に使用されているのが現実で、加えて欧州などでは使用禁止されている有機リン系の農薬も未だ使い続けられていることを知りました。驚愕です。それらの農薬が母体や遺伝子に影響を与えたり、生育過程で脳細胞に影響したりする可能性もあるとのことでした。6~7年前に「引きこもり」に関する本を読みましたが、その出現率も日本と韓国が先進諸国の中で断トツに高かったことも頭をよぎりました。

子どもには最善の食物と環境を与えたい、これが私たちの使命と考えていたにもかかわらず現状は至りませんでした。長い道のりになりますが、無農薬、有機肥料の農産物を捜し求め、子ども達の食事の提供に歩を進めたいと思います。ご注目ください。

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学校法人あけぼの学園/社会福祉法人あけぼの事業福祉会