周一ぶつぶつ

2025.06.26
勉強できる園と その機会が与えられない園がある

「研修の深化と広がり、評価について」      理事長 安家周一

Ⅰ/「勉強できる園とできない園がある」という現実

自園の話で大変恐縮ですが、近年起こった困ったことを披歴します。他園で働いていた保育教諭が当学園の採用試験に応募してきました。同じ府内の園からの応募で顔見知りでもありましたので、念のため園長とはきちっと話をしているかなどを確認し受験を許可しました。合格となり当法人で働き始めて2年になります。熱心に業務に取り組み、施設型給付の処遇改善加算を検討したところ、研修要件に問題が発生しました。当該職員に事情を聴いてみると、前園では外部の研修には全く出向くことはなく、園内でも学びの機会はほとんどなかったとのこと。「研修ハンドブックは?」の質問に、「何のことかわかりません…」の返事でした。結果的に、要件を満たすべく研修に出向させ受講をし、要件は満たされました。

大阪の連盟には400余の園が加盟しています。経常費補助の園も25%くらいありますので、処遇改善にはあまり関心がなかったようなのですが、それと研修を受けられていないこととは話が別です。私立幼稚園ですから、その園その園で方針があってしかるべきではありますが、幼稚園教育要領や保育・教育要領は法律で定められたものですし、教職員の資質が向上するためには学びが何よりも大切であることは波状的に媒体を使ってお伝えしているつもりでしたが、私の認識は不足していました。経常費園でも処遇改善Ⅰについては半額補助ではありますがすでに実施済みで、今年度から研修要件が必要なⅡ・Ⅲの実施が決まっています。

Ⅱ/私たちは私立ではあるけれど公的な施設である

私達は「私立」幼稚園です。学校教育法1条に規定されている公的な施設です。そういう意味では。プライベート=私、ではなくパブリック=公的な施設なはずです。ですから税金が投下されているのです。私立だからといって教職員に研修も受けさせないなどは、許されることではありません。

全国の多くの園が「施設型給付」の範疇に入る園となりつつあります。会計士の監査や自治体の監査が定期的に行われ、事業計画・報告から予算・決算、職員の資質向上状況や処遇に至るまで様々な指導をいただけます。保護者に対しても運営状況などを開示することができ、園への理解もより深まります。

Ⅲ/機構のこれから 研修と評価

当機構は令和8年には公益法人の再取得に臨みます。そのためには、当機構組織体の運営が健全であり、安定していることが要件の1丁目1番地です。そして、加盟している園の資質向上に取り組む研修体制が確立され、教職員が研修に主体的に取り組み、知識技能を磨く様(さま)を見せることが大切です。全日私幼連に加盟して機構に紐づいている園は、切磋琢磨して学びが多い園ばかりだ、と認めていただけるよう、3月には57研修コンテンツの整備が完了しました。研修内容も旧態依然としているなどと幻滅させることがないように学び合い、語り合いましょう。今年度の幼児教育実践学会は東京家政大学での実施が予定されています。現場の素朴な試みや悩み、試行錯誤を発表し合い、語り合える学会にしたいと学会ティームの熱量は高く準備が進んでいます。ぜひ皆様方と東京家政大学でお会いしましょう。

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学校法人あけぼの学園/社会福祉法人あけぼの事業福祉会