学校法人あけぼの学園/社会福祉法人あけぼの事業福祉会

■日本の学校制度

明治5年に発布した日本の学校制度ですが、全国共通の教科書などで、識字率が大幅に高くなったことなどの成果が上がりました。時代が進み、世界の情勢を俯瞰し比較してみると、相当遅れを感じますし、義務教育学校の教師の疲弊も報じられます。それを感じるのは、大学生や新卒で入職してくる若年層の若者たちが、自分の周りで起こっている様々な事象や政治などに対して、疑問を持ったり意見を交わしたりする能力が弱っています。すべてのことの正解はスマホにあるかの如くふるまう姿にも違和感があります。

■Society5.0これから人工知能AIの時代に向かいます

すべての事象を自分事として捉え、周りの人と協働しながら共存していく力が求められています。スティーブジョブスが我が子には電子機器を与えず、本を70冊用意したことは有名です。電子機器やデジタル機材に触れる時期を、できるだけ後にずらせることが肝要です。人文の体と頭をフル回転させ、様々な人とディスカッションしながら折り合いをつけていくことのトレーニングが必要です。答えを覚えることではなく、なぜこの答えが出るのかを常に考えられる思考回路です。200万年前にアフリカ大陸に発生し、その後他のホモ族が絶滅したのに、私たちホモサピエンスが長きにわたって生き延び、地球上に生活できている最大の原因は、相手の痛みを感じることができる「三項表象機能」（進化的人間考長谷川眞理子2023）がキーワードと言われています。幼少期から生活や遊びの中で発生する様々なぶつかり合いや喧嘩、そして仲間との生活で培われた社会性や協調性が、Society5.0に欠かせない基礎的能力です。この力は主に乳幼児期に培われるのです。