園の下の力持ち

2019.04.01
Departure

 201941日。約3年かけて準備してきた「あけぼのほりえこども園」が、本日無事開園を迎えました。多くの方々の協力と努力が、この北堀江の地に新たな乳幼児教育の施設を誕生させることを叶え、大阪市立堀江幼稚園の120年を超える歴史のバトンをここに引き継ぐことになりました。皆さまどうぞよろしくお願いいたします。

  建物の設計・建築には、アメリカの保育環境評価スケールECERSEarly Childhood Environment Rating Scale)の要素をふんだんに盛り込み、昭和から続いてきた一斉教育(小学校の授業のようなもの)で使われてきた教室(保育室)とは一線を画す、子どもたちが主体的に遊び込むことのできる環境づくりを意識しました。壁中にチョークで絵が描ける部屋、隠れて秘密基地のように遊べるスペース、遊び方を変化させながら遊ぶことのできる大型遊具、大きな雨水タンクから引き上げる水遊び専用のポンプ。園庭に流れ出る川と池。家庭ではなかなか経験できない体験要素を散りばめ、そして喜びや葛藤を集団生活の中で学んでいくこと。このような方法を通して、子どもたちの非認知能力に訴えかけながら、乳幼児期に育てたい大切な力を育んでいきます。環境があればそれで終わりではありません。毎日の生活の中に、子どもたちが遊び込むことを可能とする時間の確保もします。もちろん集団で一斉に色々なことをしなければいけないこともゼロではありません。ただし、子どもたちが自分たちで選択して遊び込むことのできる時間の確保も、また一方で重要だと考えています。大人の様子をうかがいながら、これで遊んでもいい?お外に行ってもいい?など、その都度保育者に確認をしなければいけないような保育もしません。(もちろんダメな時はダメというルールは存在します)園庭が雨上がりでぬかるんでいたら、園庭で遊べないという園は多く存在します。でもそれはどうして?雨上がりだからこそ存在するぬるぬるの泥、いつもより掘りやすい園庭。その体験から子どもたちを遠ざけることはしません。大人も子どもも、自らよく考えて行動することを大切にします。そして子どもたちは、どんな遊びが本当は一番楽しいのか、大人より知っています。その感性を、環境や時間の確保から主体的に磨くことができるよう、我々は日々の保育を組み立てます。

  タイトルにもある通り、今日はその「出発(Departure)の日」です。まさに大海原の中に飛び出す大きな船の船出の日です。学校法人あけぼの学園としては、大阪府豊中市に65年前に誕生し、今もその歴史を歩んでいます。65年の歴史の中で培ってきたノウハウや人財を惜しみなくこの北堀江の地に流し込み、子育てステーションとしての役割を全うしていきたいと思います。色々な方向を向いて進む乳幼児施設がある中で、あけぼのほりえこども園の目指す方向・目的地が、子どもたちを価値の中心に置いた場所であり続けたいと願います。子どもたちの育ちに保護者も、職員も、地域の人たちも含めた全ての大人が力を合わせて、未来の大人たちに少しでもより良い育ちの保証ができるよう、努力していきたいと思います。たくさんの喜びに包まれた毎日になるよう、地域に根差した施設になれるよう、毎日の小さな一歩一歩を大切に進んでいきたいと思います。

皆様どうぞ温かいご支援のほど、よろしくお願いいたします。

 

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学校法人あけぼの学園/社会福祉法人あけぼの事業福祉会