遊びの匠

2021.03.19
みんなのあしあと

3月16日。無事に90名の子ども達があけぼの幼稚園を卒園していきました。

また今年も卒園式の当日は天気予報とにらめっこをしないといけない状況でしたが、時より小雨が降る天気にも関わらず、そのことが全然気にならないほど、それぞれに素敵な個性を持った90個の太陽に照らされた素敵な式になりました。

本当におめでとう。

思い返せば、卒園児が入園してきた3年前、あけぼの幼稚園として初めてラーニングストーリーを取り入れ、保護者の方々と育ちの共有が始まりました。

元々、ラーニングストーリーはニュージーランドが発祥とされる、写真を使った記録の一つであり、近年では世界の教育施設で取り入れられています。

あけぼのでラーニングストーリーを始める上で、私達が願っていたこと・ねらっていたことがあります。それは・・・

①誰にでも見返しやすい生きた記録を残していくこと

②文字のみの大人目線な記録ではなく、子ども達にとってもアクセスしやすい記録となること

③今までの当たり前である、保護者と先生間のコミュニケーションだけではなく、保護者と子ども、先生と子ども、子どもと子ども、時には保護者と保護者、おじいちゃん、おばあちゃんと子どもといった多様な関りを生む記録となること

そして④番目は私が1番大切だと感じる、我々保育者の専門性を生かし、保護者にありのままの子どもを肯定的にみる視点や姿勢をシェアすることで、それぞれの子どもにとって1番身近な大人である保護者へとその視点や姿勢が伝染することです。その為には子どもの姿や行動だけを日記の様に伝えるのではなく、専門的な視点から、育ちやその子自身の良さ、可能性を伝える必要があり、日々先生達も試行錯誤を繰り返しながら、専門性の向上に取り組んでいます。

子ども達と日々生活していると、自分の子どもを愛しているから、よりよくなって欲しいと願えば願うほど、周りの子どもと比べて自分の子どもの足りなさを感じてしまうことは誰にでもあると思います。

保育者であっても、保育者自身の思いに反した行動をとる子どもに対して、ついネガティブな感情や視点を持つことがあることもまた事実でしょう。

そんな子育て・保育という営みの中で、ラーニングストーリーはある意味で絶対的・肯定的に子どもをみることを強いられる物であるとも言えます。しかし、それがやがて本当の意味で肯定的に子ども達をみるということになり、”子どものありのままを認められる大人”を生んでいく。そんな願いがあるのです。

最終的にはこれらのねがいが達成されたのかを判断するのは3年間続けた保護者や子ども達になりますが、思いが届いてると本当にうれしいなと思います。

最後に保護者の皆様に最後のお願いです。

今年の卒園児には最低でも年少・年中・年長という3冊のラーニングストーリーがあると思います。その3冊には子ども達が自分の足で歩いてきたあしあとがしっかり刻まれていることと思います。

春休みの間や小学校に初めて登校する前の夜、今一度ラーニングストーリーを開き、その歩んできたあしあとをみて「明日からも自分らしくね」という気持ちに家族みんなでなってほしい。

また、小学校で少し嫌なことがあった時、ラーニングストーリーを開き、その子の良さや可能性を再発見し、明日に希望を持ってほしい。

できることなら、小学校に行っても継続可能な範囲でラーニングストーリーを残してみて下さい。3年間の継続で見えた、継続の大切さ。3年間毎月書き続けたそこのお父さん!あなたですよ!笑。そしてそれを子どもの結婚式にプレゼントする。ロマンチックすぎます。

そして、もしその子らしさが失われそうになったら、またあけぼのに来てください。充電しに来てください。

卒園本当におめでとうございます!寂しすぎるけど次はこの子たちがあけぼのを引っ張ってくれる。

そして、また4月に新たな仲間が加わってくれることにも感謝です。

ありがとうございました。

 

 

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学校法人あけぼの学園/社会福祉法人あけぼの事業福祉会