学校法人あけぼの学園/社会福祉法人あけぼの事業福祉会
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安家周一
猛烈に暑い夏が過ぎ去り、時折秋が感じられる風が心地よく感じます。振り返って考えてみると、私の小さかった50年前は、昼間こそ30℃を超える日がありましたが、朝夕は涼しく、小学校の夏の宿題は涼しい朝の内に済ませるのが常でした。近頃は朝から35℃超えの毎日で、さぞ宿題にも影響するだろうと心配になります。
さて、先月に続いて子どもの施策について述べます。
皆さんは「子どもの権利条約」をご存じでしょうか。アメリカ、ソマリア以外の世界191カ国で採択されている、まさしく子どもの権利保護に関する条約です。この件を専門に扱うのが国連に設置されている「子どもの権利委員会」ですが、この委員会から日本は3度に亘って勧告を受けています。
指摘内容としては、条約が社会に浸透していない、独立した機関がない、施策が不十分、受験などの過度の競争、学校における暴力と、体罰、いじめ、など他にも多くあります。指摘内容を概略すると、、大人が自分たちの都合で一方的に制度を作り上げて、子どもはそこにはめ込まれ、意見を聞いてもらったり、自分たちの利益を追求するようなシステムになっていないと言うことになります。
このたびの、子ども新制度においても、早晩大阪府・豊中市から、子育てに関するニーズ調査が保護者に実施されます。困っていることは?これからどのように子育てしたいか、どのくらいの時間、誰に預けたいかなど、大がかりな調査です。この調査で、需要量を把握し、市町村毎に供給量が決められます。ここでも、子どもの声は反映されにくく、乳児から長時間な保育供給体制の整備が進みます。
保育時間は親の事情によって決定されていますが、子どもにとってはどのくらいの時間が適当と思われますか?特に、3歳未満の子どもたちにとって、施設保育の長時間化が私はとても気になります。担当する保育士たちは懸命に子どもを受容しようと努力しています。しかし、個人的で母性的な愛情をたっぷり与えることは物理的条件においても難しい課題です。このことが、子どもたちの未来に大きなつけを残すと、心理学者たちは警告を発しています。