周一ぶつぶつ

2019.04.19
私たちは何のために生きているのか

『私たちは何のために生きているのか』

毎年世界の幸福度ランキングが発表されます。基準は人口当たりのGDP・社会的支援・健康な平均寿命・人生を選択する自由・性の平等性・社会の腐敗度などで、少し欧米の価値観に偏っているような気もしますが、2019年は158国中日本が58位。昨年は54位だったようですから、4つほど順位を落としています。

いまだに国民総生産は世界で第3番目の国ですが、とても豊かで幸せであるとは感じられないのは私だけではないようです。多くの庶民は、朝早くから夜遅くまで身を粉にして働き、家庭の団欒の時間を削って生活しています。女性の社会への関わりが増えたことは歓迎すべきことですが共働き家庭も珍しいことではなくなりました。それに起因して、保育に欠ける年少の子どもは、長時間施設に預けられることになります。保育標準時間が11時間なんて国、欧米先進国から「クレイジー」といぶかられる位に珍しいのです。これは子どもにとって長すぎるという驚きと、これじゃあ豊かな家庭生活はのぞめない、という二つの驚きを意味します。そんなに長く働くのが常態化した国で、7人に1人は平均所得の2分の1以下で生活する現状の国なのです。このような幼少期の経験は、成人しても家庭を持つことをためらわせます。もちろん子どもも望めないでしょう。少子化の根本原因です。

先日の報道で、会社を定年退職し家庭に戻った会社員の引きこもりが60万人にのぼるのだそうです。馬車馬のように働き続けて、やっと定年になったとたん、何のために生きてきたのか、目的すら見つけるのが難しいという悲劇です。定年離婚など、目も当てられません。

一般的にキリスト教の国では、労働は神から与えられた苦役と捉え、日本では労働は美徳と考えられています。価値観が違うといってしまえばそうなのですが、私はあまりにも惨めだと感じるのですがいかがでしょう。なんか狂っていないですか。どうすればそのような価値観から脱却することができるのでしょうか。遅きに失した感は否めませんが、「働き方改革」が叫ばれています。特に教員・保育者の働き方は大きな社会問題になっています。

こんなアイディアはいかがですか。10歳くらいまでの子どもを養育する家庭の父母の労働時間を、満額の賃金を保証した上で1日6時間にする。IT化が進んでいる現代において荒唐無稽だとは思われません。子どもを育てる保護者を、社会的に養護する価値観の醸成や、団欒時間の確保が実現し、子どもとともに親としての育ちにも寄与します。高額所得者まで無償になってしまう「幼児教育・保育の無償化」よりも社会的インパクトも大きいですし、保護者にとって大きな福音となると思うのですがいかがでしょう。このように書くと「保護者の長時間労働の権利を奪うのか!!」との声が聞こえてきそうですが、すでに30年以上国を挙げて少子化対策に予算をつぎ込んでも一向に効果が表れない現状からすると、本気で考えてみる価値はあると思います。時は統一地方選挙まっただ中。候補者と話す機会があれば是非提案してみて下さい。その人の価値観もよくわかります。

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学校法人あけぼの学園/社会福祉法人あけぼの事業福祉会