周一ぶつぶつ

2019.12.19
体罰を考えます

体罰を考えます

1― 口で3回注意したが言うことを聞かないので、頬を叩く
2 ―大切なものにいたずらをしたので長時間正座させる
3 ―友達を殴ってケガをさせたので、同じように殴る
4 ―他人の物を盗んだので、罰として尻を叩く
5 ―宿題をしなかったので、夕ご飯を与えない

あなたは何番が体罰にあたると思いますか?

たたく、正座、食事抜きしつけでなく体罰 厚労省案

1体罰の線引きは…

親がしつけのためだと思っても、たたく、長時間正座させる、食事を与えないなどの行為は体罰にあたる――。児童虐待の防止強化のため、来春施行の改正児童福祉法などに「体罰禁止」が明記されたことを受け、厚生労働省は3日、どんな行為が体罰にあたるかを具体的に示すガイドライン案を有識者検討会に示した。おおむね了承され、年度内に内容を固めて周知を図る。
ガイドライン案は、しつけとして行われる体罰が、深刻な虐待につながる事例も多く見られると指摘。「しつけのためだと親が思っても、身体に苦痛または不快感を引き起こす行為(罰)は、どんなに軽いものであっても体罰に該当し、法律で禁止される」とした。
体罰の具体例として、「口で3回注意したが言うことを聞かないので、ほおをたたく」「大切なものにいたずらをしたので、長時間正座させる」「宿題をしなかったので、夕ご飯を与えない」などを挙げた。一方で、「道に飛び出しそうな子どもの手をつかむ」「他の子どもに暴力を振るうのを制止する」などは体罰にあたらないとした。

体罰ではないが、「お前なんか生まれてこなければよかった」など子どもの心を傷つける言動も、成長・発達に悪影響を与える可能性があるとしている。(12月4日朝日新聞 浜田知宏)

体罰禁止に関するネットニュースの記事を掲載しました。体罰についてはこれまでに何度か書きましたが来年4月から「体罰禁止法」が施行されます。前述のように、子どもが恐怖に感じ、苦痛に思うことはほとんどが体罰にあたります。日頃生活の中で、時間がなくあせっていたり、大人側の体調がすぐれなかったりするときに、ぐずぐずしたり言うことを聞かない子どもの様子に対してイラつき、つい頭をはたいたり、つねったり、「うちにはサンタさん来ないからね!」などと脅したりすることは悪いとわかっていても、つい、ということがあるかもしれません。しかし、このようなことは犯罪行為に問われます。

人間の脳細胞は誕生から3歳くらいまでで最大数に達し、そこから少しずつ刈り取りが行われ、残った約70%の数は老人になるまで維持されるのだそうです。刈り取られた後の70%の脳細胞が様々複雑につながりあいその後の知的活動をつかさどります。子どもは強い痛みや恐怖を感じると脳が縮み、脳細胞が破壊されることが分かっています。その影響で知的発達が阻害され、IQ(知能指数)が伸びず、知的にハンディを抱える可能性も否定できません。予防注射など痛みを感じる場合などにも、「今から少し痛い注射をするよ。すぐ終わるからね」などの予告をすることによって、その痛みは少しばかり緩和されるようです。予告なく突然痛みがあるのは大人でも厳しいですよね。犯罪を犯して刑務所に収監されている人の約7割は知能的に問題があるともいわれます。自分よりも弱い者への体罰、暴力禁止は世界の常識で、日本は相当遅れていました。やっと体罰や子どもにとっての恐怖をしつけの手段に使ってはいけないことが明確になりました。

こんな法律ができたら、どうやってしつけをすればいいの?と戸惑われる方もおられることとい思います。

しつけ(仕付け・躾)とは、「将来社会で人と共存するために身につけなければならないマナー」と考えるならば、脅さず、たたかず、丁寧にその子の行為が周りにどう影響しているのかを分かる言葉で解く必要があるのでしょう。泣き叫んでいるときは手のつけようはありませんが、少し落ち着いたときに並んで座り、あなたのことが大好きであることを話したうえで、その行為がなぜ悪いのかを話すことの繰り返しです。大好きなあなたを、一人の人間として尊重しているということが感じられるように、が最大のポイントだと思います。しつけをするということは、大人の大人力が問われているのです。

引用:ネットニュース

参考文献:「脳はなにげに不公平」池谷裕二著 朝日新聞出版、

「ケーキの切れない非行少年たち」新潮新書

 

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