学校法人あけぼの学園/社会福祉法人あけぼの事業福祉会
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よく笑うこと。
聡明な人々から尊敬され、
子どもたちから好かれること。
誠実な批判者から称賛され、
不誠実な友人からの裏切りに耐えること。
美しきものの良さを理解し、
他者の最も良いところを見つけること。
世界を少しばかり良くすること。
その手段は、健康な子どもを育てる。
庭に小さな畑を作る。
社会情勢を改善するなど、何でもよい。
あなたのおかげで良い人生を送れた人がいるということ。
これが成功したということなのである。
ラルフ・ワルド・エマーソン(1803~1882)アメリカ合衆国思想家
長い自粛の期間が続いています。明かりが見えているようでいつどこで何が起こるかわからない目に見えない不安の中にいます。つい腹を立て、人のせいにし、弱いものにあたりたくなります。そんな弱い心にエマーソンの詩が語り掛けてきます。
この数か月間、落ち込んだりこれでいいんだと自問してみたり、この先いつまでこの状態が続くのかと思い悩むこと多くありました。少なからず保護者の皆さんやあけぼので働く教職員も同様な気持ちになったことでしょう。自分として精いっぱい世界で生きてきた40数年に及ぶ幼児教育・保育の世界ですが、子どもの育つ権利の保障と保護者の社会生活をバックアップする役割のはざまで揺れた期間であったと言い換えることもできます。
常態であれば幼稚園時間で生活する子ども(1号児)や共働きやひとり親家庭の園児(2・3号児)を長時間預かる施設であって、それが当たり前とみられる施設です。そのような当たり前を根本から問い直さざるを得ない「コロナウィルス感染症」という、治療薬もワクチンも検査体制も脆弱な社会インフラの中での伝染病の到来です。子どもを安全に預かることに大きな不安を感じた期間でもありました。
自粛期間、保護者の皆様方には大きな負担と犠牲を強いることになりました。ご協力には心から感謝します。ですが子どもの託児の責任を私たち園だけでは背負いきれないという思いに至りました。
これは育休取得を主に女性が働く職場が負担するのに似ています。授乳期間はまだしも、丸々2年間ほど女性の職場だけが休暇を与えて、男性の職場はその責めをほとんど負わないのはあまりにもアンバランスであるのと似ています。それと同じような感覚が、この度の保育所に対する視線に感じました。つまり、社会や職場は変わらず活動していて、ジェンダー意識や働き方をなかなか変えずに、子どもを預からないのはおかしい!という役所や市民の指摘です。
社会全体で受け止めなければならない難儀です。このコロナウィルスのベネフィット=恩恵・利益を探すとするならば、洋服は必要以上に必要ないことがわかったこと、お家ご飯がおいしいこと、在宅でも仕事ができること、父母が交替で勤務したり家事を担ったりすることが当たり前になることではないかと思うのです。
これから新たな生き方や家庭像の模索も始まることでしょう。第2波の到来に恐れおののきながら。