学校法人あけぼの学園/社会福祉法人あけぼの事業福祉会
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■人類の起源
人類の起源は近年も新しい知見が出るなど、まだまだ全容が解明されたわけではありませんが、おおむね700万年前に、猿から分かれた類人猿がアフリカ中西部で生活していたと言われます。主に地上で生活し体の毛も少なく、キバもないことから、大型肉食獣の餌にされていました。何とか自分たちを護るため、寄り集まり集落を形成して肉食獣から自分たちを護りました。弱いために仲間の数を減らさないように、チンパンジーは5年に1頭ですが1年ごとに一人の子どもを生めるよう進化し、現代までその習性は継続しています。
■アフリカからのグレートジャーニー=偉大なる旅
徐々に数が増えるのと同じように、少人数ごとにアフリカから出て、現在のヨーロッパやアジア、ポリネシアなどに移動を始めます。陸続きのところは歩き、海に出会えば簡素な船を使って移動しました。このようにして全地球上にホモサピエンスの仲間が広がり、住むようになったといわれています。住んだ地域によって体を適応させ、寒い地域に行った者は鼻が高く進化して寒気が体に入り込むことを阻止し、紫外線の関係からか肌の色は白く乾燥した気候から髪の毛の断面は平たくなり、ウエーブがかかるようになりました。アジアに転進した人たちは、独特の暑さと湿気の影響で、肌は茶褐色で、髪は黒く髪の断面は丸くなり、鼻が低く進化し、酸素が多く吸えるような鼻になったのでしょう。
もともと私たちは、自分たちの足で移動することから人類の繁栄が始まったということもできます。その後、家畜化できた馬や牛などの動物を操って楽に移動することを覚えました。そして、車輪のついた引き車を開発し、その後蒸気エンジンを開発し、現代の文明的な暮らしを得ました。時代がすすむにつれて便利でfastな生活を手に入れたのですが、そのことによって健康は阻害され、足が弱り自分の力で移動するのが難しくなっています。
■周りの情報を獲得する力
時速4キロほどが人間の歩く標準的なスピードです。この速度だと、路傍に咲く花を見つけたり、草花を摘んで園に持ってくれたりします。大人と手をつないで歩けば会話も弾みます。ゆっくり歩くことで、道路を安全に歩くマナーやルールも理解します。又人に出会ったときの挨拶の仕方、相手によって話し口調や態度を変えるすべなども、親の姿から学ぶものなのです。時代はfastなのですが、子どもの育ちは太古の昔から変化なく今もslowです。
■歩くことが何より大切です
そんなわけで、歩くことはとても大切なのです。「脚は突き出た心臓・肺、手は突き出た脳」と、いわれます。持続して遊ぶ・学ぶ体力はしっかり歩くことで培われます。子どもは大人のようにたまにジムに行くことで鍛えるのではなく、毎日の登降園や遊びで動き回ることで徐々に鍛えられます。又はだしで移動することで足が刺激され、足の親指で地面を蹴って走ったり、凸や凹を足裏で感じ体幹が鍛えられます。このように日々の生活で足が鍛えられることで、長い人生の体力基盤が獲得されます。
つい自転車に乗せたり、車に乗せたりして移動してしまうものですが、心して『歩くこと』を励んでいただきたいと心から願うのです。