周一ぶつぶつ

2026.03.18
不登校・ひきこもり

「不登校30万人超え」から考える社会と園、家庭のあり方

義務教育を受ける子どもたちの中で、不登校の児童・生徒が30万人を超えたという報道は、教育現場に身を置く私たちに大きな衝撃を与えました。この現象は単に学校の問題にとどまらず、社会構造や家庭環境、そして大人の在り方が密接に関係しており、幼児期の教育に携わる私たちもまた、その責任の一端を担っていると自覚する必要があります。


家庭の構造変化と子どもの孤立

共働きやひとり親世帯の増加により、家庭が子どもを支える余裕を失いつつある今日、小学校低学年の子どもを一人で家に残して出勤する親の不安は計り知れません。結果として、子どもは孤独や不安を抱えながら日々を過ごすことになります。

家族心理学者・柏木惠子氏は、著書『子どもが育つ条件』において、「親が関係を諦めてしまっても、子どもはそれを鋭く見抜き、心を痛めている」と述べています。親同士が対話を重ね歩み寄ることが、子どもの心の安定を導き、社会との関わりへの一歩につながるのです。


「制度」としての学校に合わない子どもたち

一律・一斉の教育、上意下達の指導、高圧的な教師対応などが不登校の一因とされています。また、幼児教育の場でも、過度な統制や規則により、自由な人間関係を築く機会が失われつつあります。子どもたちは常に評価にさらされ、失敗を恐れて萎縮し、心のバランスを崩してしまうのです。

遊びの時間が極端に少ないことも大きな要因です。自然の中で身体を動かし、仲間と自由に過ごす体験は、感情のコントロールや他者との関係構築に不可欠です。


父性の不在とジェンダーの課題

日本では育児の多くが母親に偏りがちで、父性の不在が子どもの心の成長に影を落としています。多様な大人の関わりがないことは、子どもの精神的なバランスに偏りをもたらす恐れがあります。男女の役割意識を柔軟に見直し、家庭の中で「父」も「母」も育児に関わる環境づくりが必要です。


信頼されない子どもたち

GPS付きの端末で監視される子どもたちには、自分の判断で行動する自由が乏しくなっています。これは安心感の裏返しとして、子どもたちが「自分で決める」経験を奪われていることを意味します。大人がもっと子どもの冒険心や自主性を信じることが、内面の成長に不可欠です。


子どもを「育てる」社会へ

日本は治安の良さで知られる国です。その安心感の中で、大人がもっと子どもたちを信じ、力を引き出す支援をすることが今、求められています。不登校は家庭だけでなく社会全体の課題です。子どもを信じ、耳を傾け、共に歩む姿勢こそが、未来の社会を形作る礎となるのではないでしょうか。

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学校法人あけぼの学園/社会福祉法人あけぼの事業福祉会