学校法人あけぼの学園/社会福祉法人あけぼの事業福祉会
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今、本屋に行くと、売り上げランキングの上位に『妻のトリセツ』という本が平積みされています。黒川伊保子さんという脳科学・AI研究者の方が書かれた本です。内容は、男女のトラブルが起こる理由を、男女それぞれの脳の構造に着目して分かりやすく分析・解説しているとても興味深い本です。基本的には妻またはパートナー女性をより理解するための男性向けの内容になっていますが、女性が読んでも大変面白いものだと思います。
その中に、男女差が実は子どものころから脳の構造上見られる傾向があることが書かれています。(以下原文ママ)
男の子たちは、赤ちゃんの頃から世の中を俯瞰して遊ぶ。男の子は、消防車などの働く車のように、かたちや構造が目でわかるものが、やや離れたところにあると興奮する。脳の中でそこまでの距離を測り、かたちを想像し、仕掛けをうごかしたくてワクワクする。それが空間認知力の高さを生み、好奇心を育てる。
こうして男の子が「自分」そっちのけで、働く車に夢中になっている頃、女の子たちは、人形やぬいぐるみを抱きしめながら「自分」を感じている。自分が気持ちいい、自分が楽しい、自分がちやほやされるのが、女の子にとっては、何より大切だ。
なぜかというと、哺乳類のメスは、自分が健康で快適な状態でないと子孫が残せないからだ。自分を大切にすることは、そのまま種の保存につながる。種の保存は、生物における最も基本的な本能である。したがって、自己保全に対する要求は、哺乳類のメスの最も大切な本能なのである。
このように、男女の遊び方にも差が出るわけですが、その姿は園内でも大いに垣間見られます。例えば男の子は乗り物に異常なほどの執着を持ち、一日中「はたらくくるま」の本を読んでは何やら解説している。一方で女の子たちはままごと遊びに没頭し、私はお母さんであり赤ちゃんでありペットの犬だったりもします。もちろん一概に全ての子どもたちがここに当てはまらないのが人間の不思議なところではありますが、これらの遊び方の違いが、脳の構造の違いによって生まれているということは驚くべきことです。このような脳構造まで理解して子ども理解をできる保護者や保育者は、さすがに限られるかもしれませんが、近年大いに活躍している脳研究者の方々の分かりやすい著書は、保護者の方にも是非手に取って見ていただき、子ども理解を脳科学の観点から捉えることで、今まで考えてもいなかったような子育てに対する視野が広がるかもしれませんね。(ちょっと無茶が過ぎますでしょうか)読みやすくてお勧めの本をご紹介します。
推薦図書
『妻のトリセツ』 黒川伊保子 講談社+α新書
『AI vs教科書が読めない子どもたち』 新井紀子 東洋経済新聞社
『パパは脳研究者』 池谷裕二 クレヨンハウス