園の下の力持ち

2019.08.25
動く時代

自分たちの過ごす日常に変化がある時、それはもしかすると「時代が動いている」と受け取ることがあるかもしれません。そんなことを電車の中吊り広告を見て、ふと感じました。

時代は動いている。

毎日を、自分らしく、輝くものにするため、

今、生き方を、問われているのだと思う。

マツダ株式会社

人工知能などの発展・台頭で、単純労働と呼ばれるものがどんどん機械化され、雇用の形態も変化していくことが予想されます。今を生きる子どもたちが、この激動の時代を乗り越えて大人になった時に何が問われるか。「自分だからできる仕事、生業」と感じて活躍できるステージがどのようなものになるのか、私たちに想像がつくでしょうか。

駅員の切符切りが自動改札機に変わって駅員の役割が変わった、スーパーのレジがセルフレジに変わりレジ係の役割が変わった、道路工事の誘導は電光掲示板と旗振り人形に変わった等、これらはこれまでに身近で実際に起こった単純労働のデジタル化です。それに加えて、簡単に想像できる今後の動向でいえば、単純労働とは呼び難いタクシー運転でさえも、自動運転車がタクシードライバーに取って代るでしょう。更に、既にコンビニで一部試験運用がされた、各商品に電子タグが付いていて、レジを通すことなく店外に持ち出すだけで自動電子決算が行われるような仕組みも、もう近い未来に迫っているかもしれません。タクシー運転手も、コンビニのレジバイトもいなくなる時代です。おでんはどうやって作られるのでしょうか。実際に技術が実用に耐えるものであると検証されさえすれば、このように「時代が動く」日常にすぐ主流を明け渡すことになります。今はまだ現金でのやり取りが多い日本でも、電子マネーの台頭で財布という概念が消滅していく可能性だってあるでしょう。(アメリカはかなり前から現金を使わずにデビットカードを使って銀行から直接その場でお金を支払う方法が主流となっていて、財布よりもカードケースのみを持ち歩くことが当たり前になっていたりします。)

なくなるものもあれば、新たに生まれるものもあります。上記のような新たに台頭する技術を使いこなすような仕事です。人間にしかできない仕事とは何か。人間にしかできないこととは何なのか。AIが人間を支配するという、まるでSF映画の題材のようなシンギュラリティという現象(ここでは敢えて簡単に記載します)は、その後の研究によって多くの学者から否定され、今のところ現実に起こる可能性が大幅に減少しました。ただ、先にも書いたような単純労働は、そっくり機械に取って代わられることは間違いなさそうです。

新たに生まれる職業とこれまでと変わらずに続いていく仕事の選択肢の中で、子どもたちは大人になっていきます。そもそものなりたい職業の選択肢自体が、今と昔、今と未来では大きく変化する時代を生き抜く必要があります。我々が幼児期に、ユーチューバーになりたいという友達はいませんでした。新たな価値や概念が、日々生まれては消えていく時代です。

今存在する、そして未来永劫機械に置き換えられることなく続いていくだろうこの教育という職業に誇りを持って、子どもたちの毎日を、自分らしく、輝くものにするため、この時期に育てるべき子どもたちの力が何なのか、問われるものに敏感に反応しながら、園での取り組みにも反映していかなければならないと切に感じます。

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学校法人あけぼの学園/社会福祉法人あけぼの事業福祉会