園の下の力持ち

2019.12.20
国歌『君が代』

※このタイトルで記事を書ことは、政治や宗教といった日本では表現することに少し躊躇するセンシティブな話題である内容に触れる恐れがあるため、少し悩みました。結果として考え方が右だ左だという議論になる恐れもありますが、決してそのような意味合いからではなく、日本という国の国歌そのものについての記事であることをまずはご了承ください。

 

一年で何度か、君が代を歌う機会に恵まれます。それは何らかの行事の場合であったり、スポーツの各種大会の開会式であったり、場面は様々です。法律上は、1999年(平成11年)に「国旗及び国歌に関する法律」が制定され、正式に日本の国歌となったとのことです。

高校生くらいの頃、TVで観ていたサッカーのワールドカップでフランスやアメリカ、ブラジルなどの国歌を聞いて「アップテンポで格好いいなぁ、どうして日本の国歌は地味でゆっくりなんだろう」と、音楽的な観点での印象を抱いていた気がします。

更に、公立学校で国歌斉唱の際に起立をしない教員がニュースで取り上げられていることに対して、そこにはどんな政治的メッセ―ジが含まれているのか深く考えたことがありませんでした。

今年10月に行われたラグビーのワールドカップにおいて、日本代表がベスト8に進出する大活躍を見せ、その試合前に君が代を歌いながら涙する日本人選手を見て、正直に言えば個人的な君が代に対する印象が変わりました。君が代の持つ意味は、きっとどこかの年代の学校教育の授業の中できちんと習ったはずですが、今になると全く記憶にない。君が代というものが一体何を歌っているかさえはっきり理解していない自分の知識の乏しさに恥ずかしさを感じ、それ以来色々と調べるようになりました。そこで分かったことは、文字だけを追いかけるのだけでは理解が難しい点も多く、文章をどのように解釈するのかということによって少しずつ意味は変わることも分かりました。戦前と戦後でも、その意味は大きく変わっていったことも分かりました。

 

君が代は 千代に八千代に さざれ石の 巌となりて 苔のむすまで

 

《きみ》=完璧に成長した男女が(明治時代は君=天皇を意味したとも言われている)

《代》=時代を超えて

《千代に八千代に》=永遠に千年も万年も、生まれ変わってもなお=永遠に

《さざれ石の巌となりて》=結束し協力しあい、団結して、

《苔のむすまで》=末永く長い歳月

 

「厳か」や「荘厳」という表現がとてもしっくりくる日本の国歌は、現代に於いてもこんなにも美しい言葉で歌われているものであるということを誇りに感じるようになりました。ラグビーワールドカップで日本がチームのスローガンとして掲げていた“One Team”という言葉も、この君が代に込められた想いと同じくしていたのかもしれません。日本に生まれ、これまで長きに亘って協力をしながら国の発展を目指してきた国民の一人として、晴れの舞台でこの国歌を歌えることをとても嬉しく思います。少子高齢化の時代を迎え、これまでに経験したことのない時代をどのように国民が団結して乗り越えていくのか。社会保障や年金問題は未来のことではなく、今の時代に根本的な解決が目指されるべき課題であることを深く感じながら、それでもこれから生きていく人たちが一致団結して国を支えていくことが求められるのだと感じます。

今年もあっという間に12月。4月に開園したあけぼのほりえこども園も、日々のプロセスを大切にしながら毎日を過ごしてきました。多くの保護者の方々や地域の方々のご協力によって何とか無事に年を越すことができそうです。残念ながら至らぬ点が多々あり、様々な葛藤や困難に対して関係者が一致団結して皆で園を作り上げる日々は、毎日が挑戦や調整の連続でした。今後も感謝の気持ちを絶やさず、“One Team”となって新年を迎えたいと思います。皆さま良いお年をお迎えください。

 

 

ページの
先頭へ

学校法人あけぼの学園/社会福祉法人あけぼの事業福祉会