学校法人あけぼの学園/社会福祉法人あけぼの事業福祉会
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2020年2月27日、安倍首相から全国全ての小・中学校を休園にする要請がありました。それに加えて、大阪府教育庁からは幼稚園を含むすべての学校の休園要請がありました。3月という、子どもたちにとって一年の集大成のこの時期に、この新型コロナウィルスの影響で春休みに突入するしかなくなることは、子どもたち、そして保護者の皆様同様に、乳幼児施設を運営する我々にとっても本当に苦しいものです。
ただ、今回の要請で非常に違和感を覚えたのは、「保育所や学童は原則開所」という厚生労働省の通達です。もちろん、各家庭で避けられない事情がある場合を除いて、登園自粛と家庭での保育協力の要請が出ましたが、とは言えどうして保育所や学童は原則開所で、学校は全て休園なのでしょうか。そして更に混乱を招いたのは、学校教育法に基づく学校である「認定こども園」に対しての通知が曖昧で、1号認定児から3号認定児までの子どもたちが混在していることで、特に難しい判断を迫られることになりました。
幼児教育の無償化を訴え続けていた結果として、2019年10月から幼児教育・保育の無償化が実現することとなりました。それに伴い、多くの子どもたちが1号認定児から同じ料金で、というより無償でより長い時間預かってもらえるという理由で2号認定児に移行しました。認定の根拠がメルカリを家でやるから、というものまで認められるずさんな保育認定の処理です。そのことで財政破綻しかかった市町村もあります。以前の記事でも書きましたが、無償化の範囲は幼児教育に留まらず、保育時間も含まれました。一方で、今回の首相の要請は学校に限定されるものであり、保育所は含まれないという違和感。そして学校であるはずの認定こども園も含まれないという更なる不信感。もちろん就労等によって保育に欠けるが故に保育認定を受けている保護者の方々ですから、保育所や学童が閉まっては困る方々がいるというのは誰にでもわかることですが、ではこの休園要請は何のためなのか?一体誰のための休園なのか?が今回の対応からは微塵も感じられませんでした。感染拡大予防として休園要請しているにもかかわらず、保育所には原則開所を求める。1号認定から3号認定が混在するこども園では、幼稚園部分である1号認定児のみを休園にすれば感染拡大予防できる問題ではないことくらい、誰が考えてもわかります。更に、認定こども園の2号3号児や保育所で集団感染がおこった場合、一体誰が責任を取るのでしょうか。そして、そのリスクを常に各園に背負わせる行政のスタンスはいかがなものなのでしょうか。感染拡大予防の策の中で最も守られるべき子どもたちが、親の就労等の事情によりウィルスの脅威から守られることなく日常を過ごすことを迫られる。休園要請をするのであれば、各企業に対する要請や給与保障等を先に講じた上で、全乳幼児施設に対して要請が行われるべきなのではないのか。非常に曖昧で論理の通らない今回の対応によって、卒園(業)式という晴れの舞台を奪われかねない事態に陥っていることを、どう考えるのか、憤りを覚えます。
しかしながら、誰が何と言おうと子どもたちは国の最大の宝であり、未来を担う大切な存在であることは揺るぎありません。その子どもたちへのリスクを最小限に考えるのが我々の使命であり、健康・安全・命を守ることが義務です。そのようなことを考えれば考えるほど、苦渋の決断を下すしかないことに、悔しさを覚えます。日々刻々と状況が変化するため、要請通りの2週間ではなく、当園は一旦来週一週間の1号認定児の休園と、2・3号認定児の家庭保育協力という形を取りました。不要不急の外出を避け、再来週には状況が改善され、全ての子どもたちが笑顔で登園できることを心より願います。