園の下の力持ち

2020.03.17
初めての卒園式

2020317日火曜日。コロナウィルスで大混乱の中、遂にあけぼのほりえこども園初めての卒園式を行うことができました。時間を大幅に短縮した卒園式にはなってしまいましたが、無事年長児が次のステージに飛び立ちました。本当に沢山の思い出をありがとう。

思い返せば3年前、長い歴史を持つ市立堀江幼稚園の閉園後の移管先法人として、定員300人程度の幼保連携型認定こども園の公募に応募し、大阪市から選定を受けました。もちろん公立幼稚園である堀江幼稚園と、私立の我々では考え方が大きく違うこともある程度は予測していましたが、開園後には多くの混乱と、我々が目指す教育・保育方針への共通理解がなかなか浸透せず、保護者の方を不安にしたり、我々自身も自分たちの目指すものの理解に苦しんだことは事実です。その中で、少しずつ保護者の方々の理解や協力を得ながら、より良くするために柔軟に検討を重ね、変更し、付け加え、何とか一年間の生活を終えることができました。

年長児の4月から3月の一年間を振り返ると、自分でなかなか遊びを選択できなかった子どもたちが、数ある遊びの選択肢の中でとびっきり好きなものを見つけ、深く遊び込んでいくようになりました。コーナー保育を中心にした欧米の保育スタイルを取り入れ、それを更に我々が独自にアレンジした環境が生んだものであると思います。好きなことばかりしているだけじゃないか、そのような見方もできるでしょう。しかし、主体的な遊びの中から子ども達自身が獲得するものがいかに大切か、最新の教育要領の中で示されていることに忠実に、それでも手段は我々が最も良いと思う方法で突き進みました。

学校というものは、当然そこにあるもの。当たり前が前提として行われる教育。誰もがそのように思いながら保護者は園に子どもを預けるわけですが、真っ新なこの園では、日々の調整や検討の積み重ねがこの一年を織り成していました。不安で苦しくなるほど見通しが持てない日常もありました。いかに徹底的に毎日を準備して臨めるか。そのような日々を経ながら、それでも、多くの人たちの運命が一つに重なり合って、この園がまるで今までもここに存在していたかのような毎日にするということが何とか成し遂げられたと思います。

35年たてばすごく良い園になると思う」というお言葉を開園すぐの時期にある保護者の方に伝えられました。我々が至らず、その保護者の方は転園という決断をされました。もちろん、はじめから完璧でいられるとは少しも思っていませんでしたし、改善を続ける以外に方法が無かったわけですが、その言葉をバネに、良い園ですねと沢山の方に言っていただけるようにしたい。でもそれは保護者サービスが良いのではなくて、子どもの育ちにとって良い場所であるということ。「万人受けはしないと思うけど、少なくとも私はこの園が好き」そう言ってくださった卒園児の保護者もいます。正直に嬉しいことです。本当に色々ありました。それでも立ち止まってはいられません。これからも常に高いスタンダードで挑み続けていきたいと思います。そしてその価値の中心には常に子どもたちがいられますように。

合言葉は『理想が実現しているわけではない。でもここには未完成の希望がある』

(自由学園学園長 高橋和也)

 

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学校法人あけぼの学園/社会福祉法人あけぼの事業福祉会