学校法人あけぼの学園/社会福祉法人あけぼの事業福祉会
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新型コロナウィルス感染拡大が広がり、もはやすれ違う人全てが保菌している状態かもしれませんし、自分自身も感染しているかもしれない。大阪は今、そういう状況まで来ています。まさに緊急事態であり、その宣言の該当地域となりました。
ただ人間の面白いところ、というのが適切かどうか分かりませんが、自分がまだ経験しておらず、更に目に見えないことについては、受け止め方に大きな差がある生き物であるということを強く感じます。これは動物的本能の固体差、というべきものかもしれません。
4月9日時点での大阪府の感染確認は98人。この数は約2週間前にウィルスに感染し、幸運にも症状が出たり検査をしてもらえた人たちで、更に陽性と確認された人の人数であるわけです。現在大阪では検査待ちは最短で4日、長い場合は1週間以上の待ちがあると保健所から言われているとも聞きました。
潜伏期間の間に誰かに菌が移る、その移された菌がまた別の人に移る、という具合に感染拡大が起こっていく。今日この時点で保菌している人の数は、想像するのも怖いほどの人数に膨れ上がっているに違いありません。そしてその状況を食い止めるために緊急事態宣言は出されたわけです。ただ、今回の緊急事態宣言は諸外国の強制力を伴うような方法ではなく、良識を持って行動する日本人ならではの行動制限を前提としたものでした。世界中であれだけの危機的状況が露になっていることをメディアで連日見れば、強制力を持たない緊急事態宣言でも、国民性が勝って最終結果的には何とか収まるかもしれません。しかし最終的な結果に結びつくためにはまさに今日本人が良識ある判断の基に“Stay Home(家にいろ)”でいる必要があるわけです。今までどおりの生活を当たり前にしながら、「なんかお店も早く閉まるし不便だなぁ」程度の考え方でいるのであれば、きっとあなたは感染すると隣人に伝えてあげる位の自覚が必要に思います。
一方で、子育て中においては様々な難しさもあるでしょう。自分の家族を経済的に支えなければ、という強い意志を持って日ごろからお仕事をなさっている方も多くいらっしゃると思います。仕事ができないとなると、明日への不安が募るのも良く分かります。
ただし、親にとっても子にとっても、「今」は一回きり。下の子が生まれても、同じ子育ても時間もそこにはありません。だから正解は誰にも分からず、そして様々な経験や葛藤の中で子どもを育て、そして親も子も成長する。そういう時期なのだと理解します。
そのことを踏まえて、今、私たち「親」は何を選択すべきでしょうか。改めて全ての人に問います。コロナウィルス感染により自分が死んだら、どうなりますか?自分の子どもの命が奪われたら、どうしますか?今の生き方に後悔は生まれませんか?
このウィルスは、もう他人事ではありません。明日自分が感染確認されてもおかしくないところまできています。人に移さない、人から移されない。この生活をするために、今は家にいなければいけないのです。最低限の我々の生活を支えていただくインフラ関係以外の経済活動は止めてでも、STAY HOMEなのです。小さな子どもがいる家庭は、全員が子どもたちのためにもSTAY HOMEである必要があるのです。企業にも特に子育て世帯に対する在宅を認めさせなければなりません。お父さんもお母さんも、子育て世帯は基本的に家にいなければいけないのです。外からウィルスを家庭に持ち込んでもいけないし、外で菌を撒き散らしてもいけないのです。当たり前の平穏な日常でこんなことは言いません。国が「緊急事態」であることを宣言したこの状況で、もう一度自分の人生を考え直していただきたいのです。
行政はこの状況で保育園・認定こども園など保育を提供する各園に対して「保育の縮小」を要請しつつ、必要のある方の保育の受入れをするように通知を出してきました。では、「緊急事態宣言下で保育を必要とする人」を決めるのは誰でしょうか。その基準を行政がはっきりと示してくれれば、当然何かが起こった場合の責任は行政が取る、普通はこうなります。しかし明確な基準は示さずに、「保育の縮小」を目指せという通達にとどめ、最終的な責任の所在をうやむやにしたまま、園にその責任を押し付ける。この状況では、子どもの命、そしてそこで働く職員の命を預かる側として、各園が悩み深く考えた上で受け入れられる基準の決定をする。その判断がリスクを最小限にする判断になることに何かおかしいところがあるでしょうか。
当たり前の365日の中で想定される災害や流行性疾患では中々見出せない状況を我々はまさに経験しています。是非この機会に、子育て中の方は子どもたちと向きあうことの大切さ、子どもたちと過ごす時間の尊さ、親である自身の意義、ワークライフバランス、色々なことを考えるきっかけになれば嬉しいです。そしてそのような時間を経て、一刻も早い事態の収束に繋がることを心より願います。