学校法人あけぼの学園/社会福祉法人あけぼの事業福祉会
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「ゴム鉄砲を片手にヒーローの真似事をしながら保育園の廊下を駆け回り、曲がり角を曲がったところで女の子とぶつかり泣かせてしまった子ども」
この表現を見て、何も意識することなく男の子のことが書かれているとお考えになった方はどのくらいいらっしゃいますでしょうか。決して男の子のことが書かれているわけではないとしても。
「男は青、女は赤」
このような固定概念が染み付いている方はどのくらいいらっしゃいますでしょうか。
少なくとも私には自分で好きに洋服を購入できるようになるまで、知らず知らずに赤やピンクの服を着ていたという経験はほぼありませんでした。
興味深いのは、1975年から続く戦隊モノの主役の色がずっと赤であることです。スパイダーマン(1962)やアイアンマン(1963)といったアメリカの人気ヒーローも赤色ですが、シリーズを変えながらここまで一貫して赤色であったことは非常に興味深いことです。先ほども書いた「男は青、女は赤」の価値観に恐らく染まっているはずの時代から、一貫して主役は赤レンジャーだったのです。ある意味で社会の固定概念の逆を付く取り組みであり、メッセージ性があるようにも感じます。
つい先日も女子サッカー日本代表の選手が同性婚を発表し、性の多様性が身近に認識されることになりました。SDGs(持続可能な開発目標)においてLGBTQというセクシャルマイノリティを受け入れる、性的平等を目指す多様性の時代に、“普通”を問うことが何より難しく、そのような時代を生きる子どもたちにとっての正しい性教育とはいったいどのようなものかも同時に考えさせられます。
幼児施設でもたまに、子ども同士がパンツをずらしてプライベートゾーンを見せ合っていたということが起こり、問題になることがあります。まるで加害者と被害者というような捉え方をされる場合もありますが、子ども達が加害者と被害者という関係だったかどうかは少し違和感を持つことも多くあります。自分とは違うカラダに興味を持つことに罪はありません。ただ、知らないこと、知りたいと思うことを大人にうやむやにされたり、納得できない理由しか聞けなかったり、まるでタブーかの様にそのトピックスが取り扱われてしまう日本人の価値観の中で、この国の性教育はOECD加盟国の中でも大きく遅れてしまっています。ただ、自分たち大人が子どもの頃に適切な性教育を受けてこなかったという経緯がある中で、どこまで今後の正しい性教育を考えていくことができるのかについてもまた、難しい問題です。新しい考える種をいただきました。これから職員も巻き込みながら、このことについて考えていきたと思います。
参考:乳幼児期の性教育ハンドブック かもがわ出版