園の下の力持ち

2022.02.01
アウトドア

コロナ禍で多くの家庭が悩んだ末にたどり着いた、子ども達との週末の楽しみ方、それがアウトドアでした。コロナ禍以前から空いた週末があればキャンプに繰り出していた我が家にとっては、突然いつものキャンプ場の予約が取りにくくなったり、キャンプ場でのマナーを守らずに夜まで騒いでいるようなグループがいたりと戸惑うこともありましたが、それ以上に周りでインドアを公言していたような家族とも、出掛ける先はテーマパークだった家族とも、気が付けば共通の“アウトドア”の話題ができました。

教育に携わる身としてこの状況を捉えた時、私はこのコロナ禍で生まれたアウトドアブームが子どもたちにとって素晴らしい機会になっていると感じています。過去の記事にも書きましたが、現代社会の中で、特に都会に住むような場合には限られた自然にしかアプローチできない状況の中で、子どもたちの実体験の機会が奪われてしまっています。休みがあればテーマパークだった家庭が、入場制限でなかなか入れないテーマパークは一旦候補から外してキャンプグッズを一通り揃え、家族みんなで原体験の渦の中に飛び込んでいく。夏は暑い、冬は寒い。当たり前の日常を、エアコンでコントロールされない場所で感じる。夜空の星が数えきれないことに気が付き、その美しさを直視する。薪をくべ、火をおこし、そこで米を炊き、食材を焼き、火を囲んで食事をする。川の水の冷たさを感じながら顔を洗い、自然の中の空気が如何に都会のそれとは違うのかを噛みしめる。

成長段階における様々な感覚が吸収を繰り返す子どもたちの発達段階の中で、このような場所で過ごすことのできる時間は将来の大きな肥やしになります。YouTubeやネットフリックスで見られるどんな壮大な物語も、結局はエンターテイメントという一定の層を狙った企画であり、結局は商品です。そういう意味で、同じ費用をかけるなら、人が動物というカテゴリに属している以上、原体験が折り重なるアウトドア体験というものは人間の本来の楽しみ方なのだと思います。

もしまだ乗り遅れているというご家庭があれば、是非これを機にアウトドアに繰り出してみてはいかがでしょう。きっと新しい親子の在り方、関り、楽しみが見つかると思います。

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学校法人あけぼの学園/社会福祉法人あけぼの事業福祉会