園の下の力持ち

2022.12.07
保育施設への眼差し

今年に入って報道された保育施設に関する様々な報道。バスの園児置き去り死亡事件、そして保育士からの虐待行為。全くもって許されるものなど一つもありません。更に、その事件事故が起こった時に「コロナ対応で現場が疲弊していた」、「人材不足による激務があった」などという、理由となりそうな“それっぽいこと”を挙げれば、誰かが慰めでもしてくれるとでも思っているのだろうかと思えるような発言。そんなことを理由にしたところで、根本の考え方が違っていることに気が付いていないのでしょう。弁解の余地などどこにも無いと思います。

真面目に真摯に目の前の子ども達に向き合って頑張っている、その他大多数の保育施設と、そこで働く職員への信頼が、このようないい加減な対応をしている、全く同業者とは考えられないような施設のおかげで、疑いの眼差しと共に揺らぐことを良く理解して欲しいと痛切に感じます。とはいえ、このような報道に触れ、その他大多数の保育施設でも、きちんとこれらのような事に向き合い、今一度襟を正す機会にすべきとも感じます。

教育・保育という営みの中には、数多くの正解がある。
一方で、教育・保育という営みの中には、間違いだと言えるはっきりしたものもある。

子どもに対してだけでなく、職員同士でも、保護者に対しても、逆に保護者から職員へも、互いに人権を重視し、相手を思いやり、敬い、人として対等であるということを大前提に丁寧に関わり合う。対子どもであろうが、対大人であろうが、マウントを取るような、自分が優位に立つために相手を何らかの形で傷つけるようなことは、教育・保育という営みの中では(それ以外でもそう思いますが)そもそも間違いであると強く考えています。そして何よりも、子ども達を中心に最適解を追い求める。これこそが保育施設にとって、子どもを取り巻く大人にとって大切なことであって、保育施設内の安全と秩序を守ることと並んで重要な要素だと考えます。

報道によって世間から事故や事件で厳しい眼差しを向けられる一方で、子どもたちにとことん向き合い、一人一人の育ちを丁寧に扱うことを大切にしている多くの乳幼児関係者がいます。業界全体の信頼回復への小さなステップとなるような、そんな施設でありたいと思います。

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学校法人あけぼの学園/社会福祉法人あけぼの事業福祉会