園の下の力持ち

2024.01.17
親友との別れ

幼少期に仲の良かった友人との別れは、その次に待つ新たな出会いへの期待など全く見通すことのできない、とてつもない悲しい出来事だったように記憶しています。引っ越しで隣町に行くことになった同級生でさえ、今でこそなんでもない距離感であっても、学校が変わった時点できっともう2度と会えない距離だと、悲しさを噛み締めていたように思います。

我が娘にもそんな出来事が起こりました。

1歳の頃から同じ子ども園の同級生。
二人とも低月齢で、背丈も同じ。クラスの中でも特に小さな二人は、いつでもまさにどんぐりの背比べな日々。歩けるようになった、トイレでおしっこができるようになった、背が100センチを超えた、お昼寝しなくなった、日々、些細な出来事が常に二人の間にはありました。
いつも側にいるからこそ、トラブルだって日常的に起こります。もう嫌い、もう遊んであげないから!なんて言い合いながら、ほとんど毎日、いや常に同じ距離感で、同じ空間にいる。文字を書けるようになった頃から、いつでもパパやママに手紙を書くのと同じか、それ以上の頻度で親友に手紙を書く。旅先ではまずその親友へのお土産を選ぶ。そんな娘たちの4年間、気がつけば親同士もパパ友ママ友としての日常を歩んでいました。

そんな日常の中で、次の休日はどこに行こうかなどと話していた矢先、晴天の霹靂とはこのことで、その親友のお父さんの名古屋への転勤が決まり、お父さんは単身赴任をすることに。しかしそれだけには留まらず、それ以外の家族はこれまでの大阪を離れ、奈良県で新生活をスタートするということが判明。

今まで何かと日々のモチベーションを上げるきっかけとして側にいた存在。その存在が物理的に遠く離れていく。お互いにその現実を理解し始める時期でもある。
運命とはここまで残酷なのかと、親としても、娘の気持ちがどんなものなのかを確かめたくもありつつ、それでも受け止めなければならないこの現実。案外ケロッとしている二人を見て、この子達の未来はきっと、その他たくさんの経験と、新たな出会いの中で形作られていくのだろうと感じつつ、それでも本人達以上にどこか割り切れない想いを抱く親達。

これからたくさんの人に出逢いながら、それでもこの便利な時代だからこそ繋がっていられる関係性が残された中で、大きくなるまで細くてもつながり合って、心を通わせ合える、そんな現実が続いていけばいいなぁと感じる今日この頃。
いつだって、常に刺激し合える誰かがいるって、とても素晴らしいことじゃないですか。

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学校法人あけぼの学園/社会福祉法人あけぼの事業福祉会