園の下の力持ち

2024.10.01
圧倒的ポジティブ思考

つい先日、浅井純子さんという全盲の女性のお話を伺う機会に恵まれました。

浅井さんは、30歳の時に突発性周辺部角膜潰瘍という原因不明の病気を発症し、幾度に亘る角膜の移植手術を受けた末、2018年に義眼を装着し、全盲となり今に至る方です。『令和の虎』というYouTubeチャンネルにも出演経験がおありなので、ご存じの方もいらっしゃるかもしれません。

冒頭、「目が見えないので皆さんのリアクションが分かりません。是非私が話をしている時は、みなさん声を出してリアクションしてくださいね」と言われても、数々の苦難を乗り越えてきた彼女の言葉に、息を飲んでそのお話に聞き入ることしかできなかった、というのが正直なところでした。(声を出して笑える内容もたくさんありましたが)

お話を伺って個人的に最も強く感じたことは、底なしに明るい彼女が放つ「ポジティブさ」は、“今置かれている状況に打ち勝つ”という対外的な姿勢ではなく、“自らを奮い立たせて周りの環境を巻き込んでいく“という潜在的な心持ちであると感じたことでした。他者や周りの状況を変えるためにどうこうするのではなく、自らを突き動かす強い信念を軸に、どのような心の持ち様で生きるのか。自らの人生を超が付くほどポジティブに生きていらっしゃるという浅井さんの姿勢に、私自身の生きる姿勢を問われている気がしました。

浅井さんのお話の中に、彼女の目標としていることがありました。それはずばり
「最も陽気な全盲の障がい者でいること」という言葉でした。
「障がい者が底抜けに明るいなんて、実際あまり想像できませんよね?私は断トツのそれを目指しています。障がい者だからと言って、できることも誰かに手伝ってもらうことで、結果的にできないことが増えて、生きる活力を失っていく同じような全盲の方を見て、自分でやらんかい!甘えるな!といつも思うんです。」という表現からも分かる通り、自分が30歳になるまで、障がい者になるとはこれっぽっちも思っていなかったという人生の中で、元々底抜けにポジティブだったご自身の性格を、難しくきっと辛いことも多かったこれまでの人生の中でも、変わらずにいられる強さに感服しました。

実はそのお話を拝聴する日に『自分を「ごきげん」にする方法 辻秀一』という本を読了したところでした。あまり自己啓発系の本は読まないのですが、スポーツドクターでいらっしゃる辻さんの、自らの感情をコントロールしてできる限りいつも「ごきげん」でいられるようにするための心の持ち様、それが結果的にスポーツや仕事や私生活でも最大限の能力を発揮することに繋がっていく、という内容だったため、読んでみることにしたのがきっかけでした。

浅井さんのお話しと辻さんの書籍の二つに共通していることがありました。

それはつまり、『笑う門には福来る』ということであり、心持ち次第で自らの人生の見え方を大きく変え、今が幸せに感じたり、不満に感じたりするのだということです。
いつも機嫌が悪そうで、不満ばかりを口に出し、何かにつけて自分以外のところに理由を探し、周りの誰もが楽しい気持ちにならないような人がいます。こういう人は、結局最後は自分の振る舞いのせいで痛い目に遭って、更に人生を楽しくないことの連続に貶めている結果になかなか自分では気づけない。反対に、いつもニコニコしていて、楽しい雰囲気を滲みだしている人の周りには、自然と沢山の人が集まってきて、楽しい雰囲気が伝播し、楽しいがもっと大きくなっていく。

限りある人生ですから、是非とも後者の心持ちでいたいなと改めて思います。

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学校法人あけぼの学園/社会福祉法人あけぼの事業福祉会