学校法人あけぼの学園/社会福祉法人あけぼの事業福祉会
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少し前の話になりますが、パリパラリンピックのテニスで見事金メダルを獲得した小田凱人選手が、インタビューの中で
「根拠のある自信は積み上げられていく」
という言葉を残しました。
勝負への不安や負けてしまうことへの恐怖に対して、自らの言葉に言霊を宿し、状況に打ち勝ちながら有言実行する彼の姿に、非常に感銘を受けたことを覚えています。
どんなことでも、自分にとっての真剣勝負が待っていたなら、できる限り良い結果を得るために、そして自らの不安を小さくするために、何らかの努力や深い事前学習をすることは程度の差こそあれ、一般的なものでしょう。受験、試合、面接、大事な会議のプレゼンテーション、新規ビジネスなど、何にでも当てはまるかもしれません。ぎりぎりまで準備をせずに追い込まれた状況の中で、短時間で集中して取り組む人もいれば、長い時間じっくりと時間をかけて徹底的に準備をする人もいるでしょう。いずれの場合でも、自分にとって大切な真剣勝負ですから、本番当日の時点で、客観的に見てその準備が十分かどうかの判断ができることは非常に難しいものではありますが、自分個人としては最善が尽せたと感じられるように準備することは自然なことだと思います。
一方で、根拠のない自信というのは特段それに向けた準備が十分に行えていないにもかかわらず、自信を持っていることです。上述の客観性が乏しかったり、自己分析が弱い場合にも多く見られることがあります。「うぬぼれ」とも読み替えられるかもしれません。運よく結果が良ければ、そもそもそれに足りる実力が備わっていただけであって、反対に結果が伴わなければ準備不足だったということになるでしょう。その場合には真剣勝負に対する準備として、万全だったとは言えないかもしれません。それこそまさに、自分の実力を過信した「うぬぼれ」であるわけです。
つまり、“根拠のある自信”というものは、それまでに十分に準備ができた、確信を持てる状態まで準備が済んでいる状態を指すのだと思います。パリパラリンピックで金メダルを目指していた小田選手にとって、大会前から宣言していた「金メダルを取れる」という自信は、積み上げられてきた準備がその自信を支えた「必然」だったのだと思います。他者が見ればやり過ぎなほど、彼は練習に打ち込み、そして対戦するであろう相手の研究を行っていたと言います。
前回の記事で書いた初マラソンから1カ月。密かに次なる目標に向かって始動しています。本番当日に、自らが決めた目標を達成する自信が持てるどうかは、そこまでに積み上げた準備という根拠が支えてくれるものになるでしょう。小さな個人のチャレンジではありますが、もうひと踏ん張りギアを上げて私もやってみようと思います。