遊びの匠

2019.07.19
乳幼児教育とごーやとぶどう

書きたいこと、伝えたいことはいっぱいあったんですが、前回のアップから時間が少し時間が空いてしまい申し訳ありません。

満を持してのアップです。昨日で1学期が終わりましたね。そこで、1学期最後に出会った面白い話の共有します。

この時期のあけぼの幼稚園では様々な野菜や果物が実り収穫、クッキング、そしてテイスティングと子ども達の活動を豊かにしてくれています。

例えば、先日南のグラウンドの裏にできたゴーヤ。かわかっちゃんに「はよ収穫せなばくはつすんでー」と言われ、慌てて収穫。

小さく切って、塩でもみもみ(子どもには魔法の白い粉って言ってます)。

恐らくゴーヤを初めて食べる子どもも多かったのか、私が「うっまー」とオーバーリアクション気味に食べたからか「ちょうだい!ちょうだい!」とチェレンジするとー・・・

全然イメージと違う味だったのかもしれないけど感想は「おいしい!」と一言。顔は正直?

そして、この時期子ども達に大人気なのが園庭に実るぶどうです。

今年は例年より少し早く熟したぶどう。いつもなら長時間保育の子ども達が独占するところですが、今年の子ども達はラッキーです。

この日も年少の女の子が「たくみっぴーぶどうとってー」と訴えかけてきたので一粒取ると。

今年のブドウは甘いんです。そのおいしさを知ると「もう1個とってー」とお願いしてきますが、今回はこの子がどうするか見るために「もうとどかへーん」と適当なことを言って少し観察することに。そうすると・・・

まずはパイプをよじ登って取ろうとしますがうまくいきません。次に考えたのは・・・

近くにあったビールケースで台を作り竹馬でたたき落とす!それでもうまくいきません。

すると「台が低いーー」という声に反応したクラスの仲間が次々とビールケースを運んできます(年少のこの時期にクラス・仲間意識が芽生えていることに少しほっこり)。

最後はみんなが運んできてくれた台を登ってぶどうがとれたMちゃん。本当にいろいろなことを考え(それを支える先生の手伝うバランスや見守り力もすごいですが)ぶどうを取る姿にたくましさを感じる瞬間でした。

話は変わって、皆さんには今回紹介したゴーヤとぶどう。どちらが私達の教育に近いかわかりますか?

答えを出す前に少し考えてみましょう。

まずはゴーヤ。ゴーヤは今年の春に植えた苗がぐんぐん育ち7月頃には実を付け食べることができます。

一方のブドウは木を植えてから何年も何年もの月日を経てようやく実を付けます。(ところでぶどうが木にできることご存じでしたか?)。想像してもらえればわかるとおもいますが、ゴーヤとぶどうの根の深さは比べ物になりません。

幼児教育は「人間の根っこを育てる教育」と言われます。すなわち、育っている対象は目に見えない(にくい)物なのです。例えるのであれば木の根っこは人間の個性やその子らしさ。さらには、コミュニケーション能力や思考力などの目に見えない(はかることができない)力なのです。

ではその上に立つ木や実はどうでしょう。それは人間でいうところの学力や知識など見える力と言えるのではないでしょうか。

木でも積み木でもりかちゃん人形でも頭がでかいとバランスが悪くてこけますよね?ぶどうの木も根っこが貧弱だとその上に立つ木はちょっとの風や衝撃で倒れるし、子ども達を笑顔にする美味しいぶどうなんてできません。たぶん、めちゃめちゃすっぱい。

だから私達の教育で大切にしたいのは先日行われたコンサートごっこやその他の行事でうまいことやったり、見栄えの良い目に見えた能力がぐいぐい育ったりすることではなく、目には見えないけどその人の中に深く広く張り巡らされた根っこを育てることなのです。

子どもの育ちを考えた時などには、つい行事の出来栄えや目に見える育ちに着目しがちですが、本当はそれは”今”幸せになるだけなのかもしれません。本当に願うのは、”何年後か先”や”その後の人生においてあけぼので育った太い頑丈な根っこの上に美味しいぶどうが育ち周りの人達を幸せにできる。そんな人間に育ってくれることなんですね。もっと深く言えば1年に一回のぶどうなんかできなくてもその場にしっかり存在してくれるだけで幸せなのかもしれませんね。

少し子どもがいとおしくなったところで、子ども達と楽しい夏休みお過ごしくださいね!

おまけ

この下の写真。

この写真には一つの目的を達成するために違う方法でアプローチする年中児と年少児の姿が映っていて”なんかいいなーって”。これが幼児教育!みたいな。

あっ!明日はちびきゃんだった!

おやすみなさい。

 

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学校法人あけぼの学園/社会福祉法人あけぼの事業福祉会