学校法人あけぼの学園/社会福祉法人あけぼの事業福祉会
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2019年11月10日に、このブログで【ダンゴムシ】というタイトルでブログを書きました。
https://akebono.ed.jp/chikaramochi/2019/11/10/151.html
それから月日は流れ、今年も相変わらず子どもたちによって正門を入ってすぐ右手にある植え込みは、ダンゴムシのホットスポットとして探索活動が繰り広げられています。
例年このスポットでダンゴムシ探しをしてきた今年の年長さん、そしてその様子を去年から見ていた今の年中さんがせっせと絶妙な頃合いで植え込みをほじくり返しつつ、それでも「木が倒れない節度」を保っての探索活動は続いていました。
実は少し前から、その様子をじっと見つめる年少児の姿がありました。まだダンゴムシを気持ち悪いと言って触れないような子どもたちもいますが、年長・年中のお兄ちゃんお姉ちゃんたちがせっせと植え込みを掘っては入れ物に何か黒光りする丸い物体を入れては歓喜に沸いている、そう、盛り上がっている様子が気が気ではなかったようです。
ここ数日、年長や年中児が何らかの活動でそのダンゴムシスポットに不在のタイミングを見計らっていたかのように、遂に年少児のダンゴムシ探索への興味が行動へと移りました。じーっとしゃがみこんではちょっと土を除け、そこにうごめく古代から変わらぬ体つきを思わせる黒光りする物体を自分たちでも見つけ始めたのです。
しかし、年長や年中が不在の時間はそう長くはなく、せっかく自分で見つけることのできた喜びも束の間、体の大きい年長・年中児が戻ってくると易々とそのホットスポットを譲るような展開もまた、微笑ましいものでした。
年少の子どもたちはそのような試行錯誤の中で創意工夫を始めました。自分たちがそのホットスポットを独占できる限られた時間で、いかにより多くのダンゴムシを獲得することができるのか。その行きついた方法とは、つまり大胆に、スピーディにそこをほじくり返すことで自分たちの思いが達成されることだったのです。
ここ数日、敢えて子どもたちには多くを語らずにその様子を観察することにしました。
結果はこのようなものでした。
「木が倒れない節度」を保ちながら遊んできた年長・年中にとって、それは戸惑いが起こる状況であることには間違いありませんでした。私が声をかけると、ある年長の男の子が
「ちっちゃい子が木が倒れるまで掘ってん…」と悔しそうに話してくれました。
子どもたちの社会の中での暗黙のルールが破られた瞬間を、このホットスポットを共有して遊ぶ子どもたちがリアルに体感した瞬間でした。
このような状況の中で、子どもたちが経験を通して更なる探求心を深めたり、他者と協調したり、工夫したりすることで得られる乳幼児期の学びの連続をこれからも大切にしたいと思いました。
一旦この木は土を増やして植え直します。その先にまた新しい展開があるのかどうか、じっくりと見守りたいと思います。